merlinrivermouth’s diary

https://twitter.com/@nnmwj

(社会)二つの日本人

日本人は大まかに二つのタイプに分類できます。

保守タイプと新興タイプ、と便宜上名づけました。

保守タイプが基本的な日本人の文化スタイルです。日本という世間を信じ、一億総中流という理想があり、世間内においてはフラタニティを信じています。

新興タイプは後発で、高度成長期から都市化されるにつれて情勢されてきました。都市化されているスーツ族のメタファーで、カースト的価値観を持ち、排他的です。

おそらく、この両者を具体的に可視化したのは私が初めてになります。

両者にとって、人間の条件が違うため、折り合うことができません。

 

A 保守タイプの特徴

ストックタイプの資産家、自営業種。

ストック型の資産に特徴があります。従って、富を大きく増やそうとかをあまり考えていません。安定を重視しています。

 

人を判断する材料は態度です。学歴や年収、経歴や職種などより内実を重視しています。安定を重視するということは、危険負担をしたくないということですから、どれだけすごいと言われているかより、勤勉で真面目で誠実であるかの方が重要だからです。

 

日本全体を世間として捉えているため、ある種の平等志向があり、ある意味でのフラタニティ感覚があります。従って、マウンティングに対しては非常に強い嫌悪感を持ち、誰に対しても鷹揚に接しようとします。

しかしながら、差別的な感覚があるため、人によってはそれが強く出てしまいます。とはいえ、その差別感覚も人間性に訴えかけられるとたちまち萎みます。それは彼らがヒューマンだからではなく、日本を世間という枠組みで捉えているため、差別対象も世間側だと認識しているからです。

 

好きな文化も直情的なものや保守的なものになりやすいです。あまりにクリエイティブなものに対しては興味を惹かれない傾向にあります。例えば、ポップよりロック、恋愛ドラマよりもお笑い、漫画もシンプルでわかりやすいものを選ぶ傾向にあります。

ヤンキー文化に似ていますが、必ずしも対抗文化ではなく、反知性でもありません。というより、新興タイプができる前のタイプ全てを包含して分類しています。

例えば、日本で最も知性的かつ教養ある人たちはこのタイプです。本質的な議論や社会正義に対して意欲的だからです。ストックタイプの資産家階層は労働を求められるため、多くは専門職になります。

安定が大事なため、投資するにしても安定資産であり、借入や無駄な贅沢を嫌います。もちろん贅沢しない訳ではなく、贅沢は階層性によりますが、それでも無駄ははっきり切り詰めるため、ケチと言えます。

これらのタイプは財産継承を重視しているため、家庭の問題を乗り越えるためのコツが伝統的に継承されています。即ち、男性は女性に完全に尻に敷かれるというもので、不倫や浮気は厳禁だということです。何世代にも渡り、女性に支配される家庭が幸福だと子供心にインプットされています。ストック資産家や自営業種は家庭の安定が経済的利益に直結するためです。

これらの文化を継承している場合、共働きになった場合、男性はやはり家庭に協力的なります。

この理由は、保守タイプにとって婚姻や家庭を持つことは快楽や見栄のためではなく、態度も重視されるからです。

 

保守タイプにとって、見栄より態度が重視され、偉いというようなことは二の次になります。

人間としての価値は経済力や経歴、職分より人生に対する態度だと認識しています。

 

B 新興タイプ

高度成長期から都市化された人々です。保守タイプのアンチテーゼでもあります。

新興富裕層、専門職、大企業の給与所得者などです。つまりスーツ族です。

10年以上前までは、スーツ族は男女平等ではありませんでした。スーツ族は婚姻するにあたり保守タイプと妥協する必要がありました。しかしながら、男女平等が進んだ結果、スーツ族はスーツ族と婚姻することが増えたので、保守タイプに妥協する必要がなくなり、新興タイプとして遠慮する必要がなくなっています。

 

彼らにとっての世間とは新興タイプの人々です。そして自らをエリートと自認し、近代的な価値観を持っていると認識しています。つまり保守タイプを近代的でないと評価しています。

しかしながら、彼らの価値観や文化規範を近代的とするならかたわになります。ヒューマニズムや法の支配などの概念が欠落しているためです。

新興タイプは表現上のステータスやスペックが重視されます。そのため、見栄に力を割き、カースト制に似たヒエラルキー構造が存在します。また、排他的で、非寛容性があります。

自己利益が他者と直結しないため、自己利益に邁進します。しかしながら、彼らの世間内の評価や見栄に関わることなので、それらを表に出しません。即ち、差別的かて排他的、非寛容で、自己中心的ですが、表現上は極めて良い人に振る舞おうとします。ですが、自己利益と関係がない人には徹底的に冷淡に振る舞います。二面性に強い特徴があります。

新興タイプが好みとする文化はクリエイティブなものです。情緒的なものや感情的なものより、前衛的なものや流行が大事になります。

財産継承可能性が低く、自己利益と他者の利益に互換性があまりなく、それでいて偽りを述べるため、家庭では常に問題が起きる可能性があります。新興タイプにとって、結婚や家庭を持つことは、見栄や快楽のためです。また、新興タイプで結婚することは意味がありませんから、そもそも愚かでもあります。

 

保守タイプと新興タイプの相剋

両者は経済的利益、価値観、規範に至るまで、相容れません。それは投票コードにすら表面化します。

 

1.アベノミクス

新興タイプは金融経済に重きを置きます。彼らの資産は金融資産であることがほとんどだからです。一方、保守タイプの資産は法人経営や事業所経営、不動産経営です。実体経済が弱り、消費の需要が弱くなることは問題になります。

アベノミクスは完全に利害が対立します。アベノミクスは金融に金を投入しました。しかし、実体経済への投資をほとんど行いませんでした。

結果、新興タイプは確かに金余りになり、贅沢品の需要は伸びましたが、国内全体として需要は低迷しています。これでは保守タイプは利益を生み出せません。

 

2.価値観

保守タイプは規範意識があるため、近代的でない部分がありますが、人間的な側面があり、社会福祉に理解があります。

一方、新興タイプは近代的と自認していますが、人間的とは言えず、法秩序を軽んじること甚だしく、自己利益に関係する社会福祉にしか興味がありません。

保守タイプからすれば、新興タイプのそれはあまりに規範意識から外れており、社会ないし世間をガタガタにしているとしか思えません。

 

3.政治的行動

自民党は本来的には保守タイプが主要な支持層でした。しかし、保守タイプは少なくとも地方政治においては自民党を支持するのが難しくなっており、それは大都市圏にこそ顕著です。

保守タイプは自民党ならば、宏池会を支持しています。野党ならば、社会民主党または共産党です。

新興タイプは自民党ならば旧細田派か麻生派、野党ならば立民の一部、維新の会、令和新選組です。

つまるところ、新興タイプは近代的価値観というより新自由主義の権化であり、保守タイプはそれに真っ向から反対しているのです。