merlinrivermouth’s diary

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(社会)正しい自己肯定感

認知療法を知っているでしょうか?

自身の本質に向き合う心理療法を言います。私はさんざんやらされましたが、全然効果ありませんでした。何故なら、私は最初から最後まで、それこそ徹頭徹尾、自分に自信がないこと、愛されてなかったことを認識していたからです。

むしろ、精神科が行う認知療法は逆効果でした。それらは自信がない人に自信を持たせるのではなく、より自信をなくさせ、世間に対して我慢せよ、というものだったからです。

本来、心理療法は患者を個人として自立させ、非近代的な世間から自由にさせるものです。ところが日本では逆に作用しているのです。

昨今、流行りの自己肯定感というものもそれと同じです。本来、個人として自立させるためのものが、世間からの同調圧力を正当化する根拠として用いられています。

本来、自己肯定感とはどのように用いられるべきか?

自己肯定感という言葉がどのように同調圧力に用いられているか?

を解説します。

 

自己肯定感と認知の歪み

心理学において、自己の認知の歪みがない状態が理想です。

自身の状態…自信がないとか、愛に溢れてるとか、心理状態ですが、それを自身が正しく認識していれば、他者と問題が発生しにくいです。むしろ、それで問題になる場合、その他者が問題となります。

例えば、落ち込んでいたり、自信がなかったり、困っているなどの自己肯定感が低い状態で、それを正しく認識していれば、外に出る反応はネガティブなものになります。

常識ある人、人間的な人なら、そのような人を見れば、同情する反応になるのが自然です。ですので、周囲と軋轢は生みません。

ですので、自身の状態を素直に表出することが基本で、理想です。それが認知の歪みがない状態です。

 

逆に自己の認知の歪みがある状態…最も顕著なのは、同じく自己肯定感が低い状態で、自身が自信がなかったり、落ち込んでいたりするのに、自信ありげに見せる行動や態度が周囲と軋轢を生みます。

そのような状態は自らの行動や態度によって、自身を自信があるように錯覚させようという意図で行われます。

往々にして、過剰な強がりや他者を貶める行動に繋がります。主にモラハラやDV、誹謗中傷、マウンティング、受動攻撃、買い物依存などの行動に現れます。

それらの行動は当然ながら、周囲と軋轢を生みます。

 

自己肯定感が低いにも関わらず、高いかのように振る舞っていることに問題があります。

自己肯定感が低いこと自体は同情に値するものです。

また、自己肯定感が低い人を攻撃することもまた、非人道的であり、過剰な攻撃、マウンティング、モラハラですから、自己肯定感が低いにも関わらず高いかのように見せかける態度で、認知が歪んでいる状態です。

真に自己肯定感が高ければ、礼儀正しく、誠実であり、困っている人に同情的です。

しかし、本来、人は誰しもが自信がありません。競争社会で、それが生活に直結し、しかも日本には世間の同調圧力があり、世の中は公正でも公平でもありません。

自信がないならないで、全く構わないですし、弱音や正当な怒りを表出することに問題はないのです。

 

間違った自己肯定感という言葉が同調圧力に利用されている。

自己肯定感が低い状態自体は問題ではありません。認知が歪んでいるのではありません。むしろそのような状態は同情に値します。

しかし、日本では自己肯定感が低いこと自体を問題視し、表現的に自己肯定感を高めようとし、表現的に高いことを良しとしています。

例えば、環境などか恵まれず、弱音などのネガティブな発言をしている人を忌避しあまつさえ攻撃します。またある時は自己肯定感を高めるための贅沢を礼賛します。またある時は恵まれた環境にいる人を自己肯定感があると評価します。

これらは自己の認知の歪みという心理を見ずに、表面だけなぞっているため、全く意味がないどころか悪い影響が出ています。

恵まれない人を攻撃したり、買い物依存や偉そうな態度は結局のところ、自身の自己肯定感の低さを誤魔化すための行動でしかなく、認知の歪みはますます増大します。

ですが、この全く逆効果の勘違いは世間の同調圧力を加えるのに、極めて効果的なのです。

つまり、自己肯定感だけに焦点を当て、自己肯定感が低い状態を問題視すれば、自己肯定感が低い人即ち困っている人に我慢せよと圧力を加えることを正当化できるからです。(しかし、実際のところ、その行動自体が極めて自己肯定感が低く、認知が歪んでいる証明になります)

 

自己の認知を歪みをなくそう。

自己肯定感を高めるなど、自然に達成できません。それは自己の存在の確認であり、周囲からの長期にわたる、根気のいる協力がいります。

そもそも自己肯定感が低い状態はそれほど問題ではありません。それは自分ではどうしようもない問題です。周囲ー家族や世間ーからの圧力によって、そうなってしまったからです。

そもそも、自己肯定感が低い状態つまり、落ち込んでいたり、自信がなかったり、孤独で寂しいことを強がらずに言えることこそが勇気です。

また、落ち込んでいたり、自信がなかったり、孤独で寂しい人を攻撃するのではなく、同情することこそが自信がある状態で、何より自己肯定感を高める行動です。