merlinrivermouth’s diary

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(社会)貧困と婚活とフェミニズム

婚活サイトによれば、オール4の男性が人気なのだとか。

サラリーマンで高収入。そこそこ学歴が高く、三十代前半で、挫折経験がなく、見た目もそこそこ。

万を超えるデータから検索して選ぶのだから、プロフィール読む前に除外するのが合理的で、世間ズレしてる社会的少数派は対象になっていないということです。笑えることにその少数派は人口的には多数派てとこです。

婚活ビジネスは美味しい商売です。安い会場を借りて、高い会費を取り、システム上の欠陥からマッチングは上手くいかず、そのシステム上の責任をユーザーに押しつければいい。

 

日本は先進国です。資本主義が進化すれば、第三次産業の比率が増えます。サービス業は女性の方が圧倒的に有利です。女性は女性が嫌いではありませんが、男性に警戒心があります。男性は男性が好きではなく、女性が好きな人が多い。

従って、男性それも若い人ほどサービス業に従事しなくてはなりませんが、女性労働者よりも労働価値がありません。

フェミニズムがサービス業の労働者の男女比率を対等にするように求めることがあるでしょうか?寡聞にして聞きません。第三次産業の業界もそんなことは嫌だと思います。

翻って、ホワイトカラーでは男女の格差は是正されるような流れです。つまり、アッパーミドルの女性は地位向上が望めます。これは体制としても主要な消費者を増やすことができるうえ、階層の再生産が可能ですから、積極的に行いたいところでしょう。

ホワイトカラーではない男女はサービス業の男性が取り残されていることを知っています。フェミニストの「女性の地位向上」が響かない原因がここにあります。

男女問わず若い労働者のほとんどはホワイトカラーになれません。従って、同世代の男性のほとんどが負け組になります。しかし、ホワイトカラーになれる女性はその地位向上を目指し、男性の特権を主張する。当然ながら、その男性の中には、男性の大多数をこれから占めることになる若い男性の労働者が入っています。彼らに特権などありません。

 

女性は婚活によって、男性を主体的に選ぶことができます。そしてその条件がそこそこ収入が高く、まあまあ学歴があり、挫折経験がなく、サラリーマンで、見た目もまあまあというものです。女性に非はありません。何故なら無数にデータがある状態で、失敗したい結婚をするために確率を上げるには、何も問題行動がないと思われる人が良く、問題がありそうな条件を除外するのが合理的だからです。

彼女たちがまず人間性から判断しなければならない、リアルな出会いから始める必要があるならば、こうはならないでしょうが、現実問題としては婚活ビジネスのユーザーにならざるを得ない人は多数います。

 

婚姻というのは、日本の法体制から鑑みても、社会的世間的に体制内に組み込まれています。婚姻できないという人は体制外ということで、少なくとも日本のシステム即ち社会や世間に適合的ではないという一つの証明になります。

例えば、僕は挫折経験が多く、非常に長い時間闘病していたため、世間に適合できません。従って、婚活ビジネスを使えず、体制外ということになります。

若い男性の労働者のほとんどは年収500万に到達できません。従って若い男性の労働者のほとんどは体制外です。体制外だから婚活ビジネスを使えないわけです。

彼らからすれば、自分を選ばない女性に問題があるように思うでしょう。実際のところ、男性のみならず若い女性のほとんどはホワイトカラー以上の男女を嫌悪していることが多いです。にも関わらず、女性はオール4の男性を婚活で求めているように見えます。

とすれば、若い男性が女性を毛嫌いするようになるのは当然でしょう。そもそも土俵に上がれないのですから。

フェミニストはそれを無視して、「男性の特権」と主張し、「ホワイトカラーの女性の地位向上」を主張します。

若い男性の労働者からすれば、フェミニストの主張は男性の特権があるにも関わらず、女性より地位が低いのは自分たちに原因があり、それゆえに体制外で、だから女性たちから拒絶されているのだ、と思えるわけです。

だから、若者にとって、フェミニストは体制側即ち保守なんです。

実際、フェミニストで利益を得るのはホワイトカラーの女性で、彼女たちは普通に新自由主義政党を支持することもあり、実際に体制側は新自由主義の側からホワイトカラーの男女同権を進めようとしています。男性の若者の大半より、フェミニズムは保守であり右翼というのが真実なんです。

 

日本のフェミニズムはそれらを見えていません。いわゆる弱者男性がフェミニストに対して怒りを表明することを「インセル」だの「恋愛は差別的」だのと一蹴します。つまり、弱者男性が体制から外れていることを自己責任だとフェミニストの大半は主張しています。

日本のフェミニストが「アッパーミドル以上に限る」とか「挫折経験があるまたは年収が350万以下の男性を除く」とか補足説明していることは全く見たことがありません。

 

アメリカでは、フェミニズムはリベラルというより新自由主義色が強いものです。日本もまさにそうなりつつある傾向が見えてきていると考えます。

実際のところ、社会民主主義勢力のフェミニズムとツイフェミとでは、その主張にかなり乖離があるように思われますし、リベラル側は社会状況の変化に対応できていません。

このままでは、アメリカのように、リベラルはフェミニズムと距離感が生まれるようになるでしょう。

今現在、日本のフェミニズムはギリギリ左派の部類と見做され、左派は一定の影響力を有します。フェミニストが貧困差別主義者に陥り、新自由主義化する前に、強いリーダーシップと影響力の行使が望まれるでしょう。

 

また現在の婚活ビジネスが妥当でないばかりが問題があるのは自明です。離婚率の上昇と婚姻率の低下は明らかであるのに、婚活ビジネス業界は旧態依然のシステムを用い、利益を最優先しています。

これらは出生率を上げ、階層を再生産させたい体制側にとっても、社会から排除するのではなく包摂したい側にとっても、個人の幸福を追求したい側にとっても、主要な課題です。

現在の婚活システムが続けば、アメリカのように弱者男性が不穏分子化し、社会や政治に非常な悪影響をもたらすようになるでしょう。何らかの是正を行うかもしくは妥当なシステムの構築を積極的に支持するなどの政策誘導が必要です。