ヒロイン「女性を愛するのも、男の都合て訳?」
ヒロイン「私を愛してるなら、不名誉な戦いをして」
ウルリックが槍試合でわざと負け続けた後。
ヒロインの従者「お嬢様は、私を愛してるならこの後の全試合勝って、と申してます」
ウルリックの従者役友人A「女心は分からない」
ウルリックの従者役友人B「女は男心をよく分かってる」
最近、定期的に調子悪くなるので、心配してくれた親が実家にしばらく帰ったら?と提言してくれました。
おそらく内分泌系の調整が入っているため、疲れていたりすると、急に鬱になると予測されます。今まではエピネフィリンが過剰分泌気味だったので、誤魔化しが効いていたのが、エピネフィリンの調整が済んだので、内分泌系の不安定感をモロに受けているというわけです。ホルモンは人間の生命維持にとって優先順位が低いので、調整は最後の最後なんでしょう。
親に甘えさせてもらうことにして、昨日から実家にいますが、暇です。
ゲームがない笑
年末特番とか年始特番とか、他人と比較して鬱になるだけなので、昨日からNetflixで映画観てます。
昨日は最後の決闘裁判、今日はRock you!観ました。
最後の決闘裁判
時は14世紀。百年戦争の後半期のフランス。
2人の騎士と妻との男女関係の軽いもつれが決闘にまで至ってしまった話をそれぞれの視点から物事を解釈した、三部構成で成り立っています。
ジャン・ド・カルージュ…百年戦争の影響で地代が上がらず、騎士身分の維持のために、フランスの戦争に積極的に参加しました。元来、保守的な騎士身分出身であり、悲惨な戦場暮らしが長く、権益を不当に奪われてしまったこともあって、劣等感から伝統に固執し、それが不幸を招くことになると疑いもしない人物です。
ジャック・ル・グリ…ジャンの親友の騎士身分ですが、ジャンと違い、自身のキャリアアップを宮廷に求めました。知的で、実務に長け、オシャレであり、合理的ですが、同時に非情かつ身勝手でもあります。自身の能力を伯爵に売り込むと、伯爵領の代官となって、積極的に地代の徴収に困る友人たちに対し、税を徴収します。彼の正当化根拠は「伯爵家に資金がなくては戦争の準備ができない」というものですが、伯爵も彼も贅沢に享受し、女遊びばかりしています。
マルグリート…実家は富裕でしたが、イギリス方に与していたため、家名存続の危機にあります。彼女自身は当時のお嬢様にしては珍しく、読者ができ、実務能力もあります。家名存続のために、百年戦争で功績を上げていたジャンと結婚しました。
ジャンは百年戦争のおかげで地代が上がらず、戦費も嵩み、金欠気味で、敵方だったとはいえ、富裕なマルグリートと結婚は願ったりかなったりでした。しかしマルグリートの方はといえば、否応なしでした。マルグリートの実家が富裕であり続ければ発言権があったでしょうが、マルグリートの実家がイギリス方だったため、マルグリートの持参金となっていた土地が伯爵に奪われてしまいました。
ジャンは伯爵家や王家に訴えますが、両家とも訴えを棄却します。歴史的には、王家は中央集権化を画策していたため、地方の地主である騎士を抑圧しにかかっていたからでした。
それらを助言し、実行に移していたのはジャンの友人であるジャックでしたが、ジャックはジャンに同情しながらも手を緩めることはしませんでした。目的に対して冷血に振る舞え、また快楽主義的でもあるジャックを伯爵は気に入り、ジャンの実家が代々受け継いでいた代官の地位をジャンではなく、ジャックに任命します。当然ながら、ジャンは怒り、伯爵やジャックに抗議しますが、なしのつぶてでした。
ジャンは金欠であるため、フランス王家のためにさまざまな戦争に参加していましたが、その忠誠が報われることなく、ますます塞ぎ込み、マルグリートに対して束縛を強めます。
ジャンは家名存続のためにマルグリートに後継を求めます。また伝統に基づいて、マルグリートに屋敷からの外出を禁じました。マルグリートは元来、外向的な性格で、有能でもあるため、伝統的な生き方は性分に合いませんでしたが、自身のキャラクターが当時の社会状況では少数派でかつ異分子であると自覚していたので、不満は感じつつもジャンに同意していました。
ジャンは戦場暮らしが長いため、気持ちを押しはかることが苦手で、言葉の通りに受け取る性格であったため、マルグリートが幸福を感じていると誤解していました。
マルグリートはしかし自身の性向を完全には抑えきれないため、ジャンのために良かれと思って、能力を発現してしました。
ジャンが戦場で不在の間に土地の経営を見直したり、ジャンにジャックとの関係を復活させて、ジャックからの搾取を緩めさせようとしました。そのためにマルグリートはジャックを誘惑したりもしました。
ジャックは伯爵とともに売春婦と女遊びするにつれて、自信過剰になっていました。騎士や農民から奪った富は伯爵家に集中し、その一部はジャックに流れ、実際にジャックは伯爵家の代官として権力を振るい、しかもジャックは確かに見た目が良く、自信満々で、博学でありました。ジャックがマルグリートに誘惑されて、マルグリートが本気だと誤解するくらいジャックは自信過剰だったのです。
論理的に考えれば、マルグリートの実家の富を奪い、マルグリートと同じ騎士身分を冷血に搾取し、心がそれほど通っていないとはいえ、マルグリートとマルグリートの夫の地位や資産を貶めているのはジャックなのですから、ジャックにマルグリートが本気になることはあり得ません。
ジャックはしかし女性が自身に対して好意を抱かない筈はないと疑いもせず、自身の「恋」を「愛」と誤解して、マルグリートを強姦してしまいます。それをジャックはマルグリートも同意していたと信じていたのでした。
ジャンはマルグリートがジャックから強姦されたと聞き、マルグリートを保護するつもりで彼女への束縛を強め、自身とマルグリートの名誉を回復するためにジャックへの決闘を王家に訴え出ます。ジャンはそれがマルグリートにとって良いことだと信じて疑いもしていませんでした。
マルグリートはジャンが決闘に負けると、自身や自身の子供が火炙りになると知って、ジャンに抗議しますが、ジャンは聞く耳を持ちません。
マルグリートはジャンに言います。
「自分の虚栄心を満たすために決闘したいだけでしょ」
おそらく、ジャンはマルグリートと上手くいっていないことが事実化し、自身が敵対するジャックに寝取られたことが世間化することを嫌がっていたのでしょう。
ジャックの方はと言えば、自身が少額な慰謝料を払えば済むのに、決闘に同意します。それも自身が勝てば、自身が愛する筈のマルグリートが火炙りになるにも関わらずです。ぶっちゃけ、自称モテ男である自分が好意を勘違いして女性を強姦したなんて認めたら、評判丸潰れだとでも思っていたんでしょう。
ジャンとジャックに共通するのは、自身を客観的に見つめることができず、自身の見解が絶対真実だと疑わず、マルグリート本人にお伺いを立てることすらしなかったことでした。
決闘となれば、宮廷官僚やってるジャックが歴戦の勇者であるジャンに勝てるわけがなく、当時のアーマーの性能やジャックの卑怯な行為のおかげで長引きましたが、ジャックはジャンに殺され、マルグリートは九死に一生を得ました。
ジャンはパリでパレードする道中、終始ご機嫌でしたが、それはやはり自身の名誉のためにやったことだということを証明している行為で、マルグリートからすれは冷めた思いでした。
感想
いくら中世とはいえ、マルグリートは同じ騎士身分であるので、やっぱりジャンはマルグリートとコミュニケーションをちゃんととるべきでした。
しかし、ジャンは悲惨な戦場暮らしが長く、その後の伯爵家やジャックの裏切りが尾を引き、自身の保守的で伝統的な世界観に引きこもってしまっていたので、ジャンからコミュニケーションをとることは難しかったと言えます。
マルグリートからすると、マルグリートは若くて経験が不足し、しかもジャンとは同一階層という以外の共通点がないため、マルグリートからジャンをフォローするのは大変難しかったでしょう。
しかも、当時の社会状況は基本的に女性の自己選択権を重視しない時代でしたから、ジャンが自身に適切なパートナーを選ぶことや、マルグリートが対等にジャンをケアすることは大変難しかったと言えます。
この作品はフェミニズムが主題であるか?
この作品は三部構成です。つまり、添え物でしかないジャックの勘違いがジャンやマルグリートと対等に並んでいます。もし、この作品がフェミニズムが主題であるならば、ジャックの勘違いはジャンとマルグリートの当時の女性の自己選択権を認めない社会状況から来る、すれ違った結婚と同列には並べられません。
ジャックのそれは男性優先な社会状況というより、単にアホな勘違い馬鹿が女性を強姦して、意地になってクソッタレな主張をしているというだけです。
ジャックの章はジャンの男性優位な社会状況から来る自分本位な考えとの比較であり、つまり、ジャックの一見すると器用で、ハイセンスで、オシャレで、ロマンティックなマルグリートへのアプローチも、究極的には自分のナルシズムを満足させるものだったというのが主題です。
そして、ジャンもジャックも、マルグリートにお伺いを立てることはあまりせず、マルグリートの意志を無視しています。
私はこの作品はフェミニズムというより、男性の自分本位な感情を批判しているものだと考えます。
そもそも、フェミニズムは女性が経済的に自立するものですから、婚姻や恋愛や母性を重視しません。というより、究極的にはある種男性に依存しなければならない婚姻や恋愛や母性を否定します。女性の経済的社会的地位が男性並み向上すれば、男性と婚姻や恋愛をする必要がないからです。
個人的には、いくら女性が物扱いされても構わない時代とはいえ、同一階層内の婚姻であり、持参金の問題もあり、経済的には共同経営者で、その後の人生ずっと一緒なんだから、コミュニケーションとった方がいいし、パートナーが有能なら全部お任せで、尻に敷かれた方が絶対に楽だったと思います。母方の実家は三代続けて養子でした。
私は男性によくいるパターンを批判している作品に思えました。
Rock you!
私は男性なので、最後の決闘裁判で、非常に耳が痛かったです。
「あーやっぱり、精神不安定な今は彼女作っちゃだめだよねー泣。(妄想の)彼女苦しめるもんねー泣」
乙女であり、おっさんなので、乙さんです。キモいすね笑
…後味悪かったのと、何故かつーかリドリー・スコットの趣味入りまくりな中世の戦闘シーンが印象的だったので、もしカリフォルニアに中世があったらみたいな感じのRock you!を観ました。
私、これは10回は観てます。
あらすじ
屋根拭き職人の息子のウィリアムは幼い時分に騎士…というか騎士が行う槍試合に憧れ、騎士の従者になっていました。
ところが主人は、ウィリアムが従者になる時、あんなにカッコいいこと言ってた癖に、連敗続きで、金欠で、ついに野垂れ死します。
「このままじゃ、俺たちも野垂れ死だ!」と同僚たちが言うんで、ウィリアムが名乗りを上げ、身分を偽って、大会に出場し、病みつきになります。
何故か、イギリス人なのに、リヒテンシュタイン名乗ってます。
途中で、賭けに負けて身ぐるみはがされた、口達者な紋章官を拾ったり、女性ながらに最高の腕を持つ鎧職人と契約したりで、大会を勝ち進みますが、当時最強の嫌味なハイセンスな騎士に敗北します。
ウィリアムは嫌味なチャンピオンに再戦するために、あらゆる大会に出ることにします。
べっぴんさんの貴族のお嬢様がウィリアムを気に入り、いい感じにはなりました。
ウィリアムは試合に熱中しますが、べっぴんさんのお嬢はウィリアムの恋が本物か試すために、冒頭の言葉を言います。
ウィリアムの従者役友人たちはその大会で全財産賭けてたのに、ウィリアムはわざと負けます。
ウィリアムは得意の根性と体力…というか根性と体力だけが売りなので、はじめの一歩ばりの打たれ強さを見せ、順調に負けてましたが、完全に心が落ちたお嬢に次から全部勝てという指令が来て、ウィリアムは訳もわからず、指令に全部応えました。
恋を叶えるのには、究極的には、センスとか金とか頭の良さとか実績とかじゃなくて、プライド含めた自己犠牲が必要てことですね。
…距離感間違えるとキモがられるだけですけどね
ウィリアムはパリ大会で優勝できたので、ロンドン大会でハイセンス嫌味なチャンピオン騎士と戦えるようになりましたが、ロンドンで詐称がバレます。それを試合で対等に扱ってくれたとエドワード黒太子が助けてくれて(エドワード黒太子役の俳優がローマというドラマで軽薄で馬鹿なアントニウス役で、その印象が強すぎて、違和感ありすぎなんすよね)、たかびーで卑怯なチャンピオンを破ることができました。ちゃんちゃん。
感想文
こういう典型的なハリウッド映画の良いところて、解説とか感想とか要らないとこですよね。
主題ではないですが、ウィリアムの恋の態度がジャンとジャックと好対照で、なるほどと思ってしまいました。
グラディエーターと並ぶて…誇大広告すね。
今日が最後の決闘祭にならないことを望みます。
なんつて。