merlinrivermouth’s diary

酒にむかいて当に歌うべし。人生、幾ばくぞ。喩うるなら朝露の如く。去りし日ははなはだ多し。

(政治)日韓関係の予測

1 日本人の最近の差別主義及びその表現行為の経緯

 


日本人は根底に朝鮮民族に対して優越感を持つ。それは現代に始まったことではない。また、朝鮮併合に対する加害意識は非常に少なかった。それは朝鮮を近代化させたというような一方的な主張以上に、そもそも日本人は大日本帝国に対して被害者意識があるからだった。

しかしながら、社会通念としては、世間的な規範が生きていた時代までは、社会的に弱い立場にいる人を殊更に声高に迫害するのははばかられたため、在日朝鮮人や韓国に対しての攻撃的な主張は顕在化しにくかった。また、顕在化しにくいため、機会がない限り、在日朝鮮人や朝鮮、韓国について半ば忘れていた。日本人は歴史的経緯についての理解が非常に浅いため、韓国について真っ先に連想するのは、韓流と言われるコンテンツだった。しかし、日本人は一方で、根底には、在日朝鮮人などに対して、侮蔑的な感覚を持ち続けていた。

現在、朝鮮や韓国や朝鮮民族に対する差別的が噴き出ている理由を拉致被害が発覚したことを契機とする人がいるが、これはあまり妥当ではないように考える。というのも、北朝鮮の体制に進んで協力している人が多数派とは言えないのは明らかであり、韓国が北朝鮮と休戦状態なのは自明だからだ。拉致被害者の件は確かにきっかけになったものの、やはり弱い立場にいる人を殊更に声高に迫害するのは、憚られるため、非常に少数の特殊な人たちが侮蔑的な言葉を投げかけていたに過ぎない。

第二次安倍政権が始まる前まで、確かに匿名インターネット上では、差別的な主張ないし表現があったものの、日本において、インターネットでの表現行為自体が小さいもので、特にスマートフォンが普及するまではそうであった。

初期にインターネット上やサブカルチャーの分野から差別的主張や表現行為が異常に増えたのは偶然ではない。自民党日本会議は麻生政権から国粋主義的、差別的、大日本帝国的価値観をオタク層やインターネット上で、宣伝を始めていた。オタク層は当時、社会的経済的にはともかく、世間的にはメインストリームではなく、世間に対して鬱積した思いが強かった。自民党日本会議がかがげる大日本帝国価値観と差別的な主張は彼らに世間の弱い立場の人々を殊更に攻撃するのは憚られるという通念に真っ向から刃向かうものであり、また彼らが世間から受けるストレスを当てつける対象を用意した。

一方、日本の世間は新自由主義的経済政策によって徐々に解体傾向にあり、部分部分において残存しているとはいえ、世間的な通念は死につつある。その証左として、離婚率の急激な上昇などがあり、そもそも自民党が「日本的」家族価値観の「再生」に必死である。余談であるが自民党が掲げる「日本的」伝統のほとんどは明治に人工的に作られたものであり、そもそも世間を破壊しているのは、自民党の経済政策である。時代状況が大きく変化した中で、人工的に作られた伝統を人工的に守ろうとしても、効果は非常に限定的になる。

世間は部分的にしか存在せず、世間的通念はほぼ死に、社会は近代化しておらず、新自由主義が前提となる経済では、強者による弱者への差別的な表現が一般的になる。これは第二次安倍政権以前と以後では大きく一線を画す文化的傾向である。特に日本では匿名インターネットが広く用いられており、インターネット上の不法行為を訴求するのは難しいため、差別的表現行為が急速に一般化した。匿名インターネットでは、自身や他者の属性を完全に無視して、無責任かつ一方的な表現が可能であるから、社会的立場の弱い者も見かけ上、成功者を演じることが可能である。

 


補足)Qアノンは日本の2chが走りであるが、2chは差別主義が日本で初めて顕在化した匿名インターネットサイトである。Qアノンの戦略は日本のネトウヨがとった戦略のほとんど完全なコピーと言える。

 


2 第二次安倍政権以降の日本人の韓国への差別意識の経緯とその固定化

第二次安倍政権が誕生するまでは、積極的に韓国への差別感情を表出するのはネット民だけであった。しかし、第二次安倍政権は非常に巧妙に、かつ大規模に韓国への敵愾心を日本の有権者に植え付けることを成功した。

安倍政権が韓国への差別感情や敵愾心を利用しようとした動機は、彼らの支持層がネトウヨ日本会議であったこと、ネトウヨのような韓国への差別感情や敵愾心を植え付けられた層が増えることによって支持率が見込めること、そもそも安倍政権自体が韓国への差別感情が強かったことにある。

安倍政権は韓国に対しさまざまな一方的な事情変更や攻撃的な行為を行い、当然ながら韓国からの反発を買うことになった。しかし、安倍政権は報道機関と結託していたため、安倍政権が韓国に行ったことはほどほどに韓国からの反発を過剰に取り上げた。

そのようなことが頻発する度に、日本人は元来、朝鮮への優越意識があり、日本では世間的な規範が薄くなっていたため、韓国への一方的な表現行為や差別的表現がネット上だけではなく、社会で行われるようになった。マスコミはそれらの状況や安倍政権への協力、更にそもそも韓国の日本への反発が数字を持っていることから、表現行為を抑えただけで、正確でない解釈を広く日本中に報道することになった。

日本の世間が弱くなったとはいえ、日本人は個人化したのではなく、日本人は自身で事の正邪を判断するより、多数派意見に流されるし、少数意見は圧殺して構わないという論理は生きている。そのため、韓国への日本の対応や世論が間違っているという人の意見は乱暴な態度によって封じ込められている。

画して、日本では、「反日」という言葉が生まれ、固定化した。

安倍政権は非常に上手く火をつけたので、日本政府は自分で点けた火を消せなくなった。日本の大多数の有権者にとって、日本にいっぺんの非もなく、韓国に一方的な責任があり、韓国や朝鮮人は日本や日本人と比べ劣っており、韓国や朝鮮人は日本に依存しているという、途方もない誇大妄想は常識化し、共有化している。そのため、日本の政権が韓国と現実的な交渉をしようとすれば、国内の反発は必至である。更に日本政府が韓国に対し、強硬で、罰を加えることは、日本の有権者にとって半ば義務化しているため、政権が韓国に対し無理難題を要求し、理不尽な対応をすることは支持に結びつかなくなっている。

また、更に、日本政府にとって困ったことは、日本政府が韓国に要求したり、制裁することは合理的でなければ現実的でもなく、論理的でもなければ正当性もないということだ。日本は韓国に経済的に依存する部分が多いのに対し、韓国は日本をもはやあまり必要としない経済システムになってしまったということだ。日本が韓国に取り得る手段がないばかりか、日本経済に非常に打撃になっている。しかも、日本が韓国に行う行為はことごとく日本の問題を国際社会に喧伝する材料になり、日本は国際社会の信用を失いつつある結果になっている。だが、日本の政権はその現実を認めれば、国内の支持を失うため、韓国への無駄な足掻きを止めることができない。また、日本の報道機関は今更、現実を報道すれば、自身の信用問題になるため、事実を報道できない。そもそももはや日本の有権者は真実を受け止めるには時期を逸しており、もし真実報道するにしても10年単位の長い時間が必要になってしまう。

たとえ日本で政権交代が起きても、この流れが変わることはない。特に日本は小選挙区制であり、政府や政権の韓国への態度は当選を決める要素になり得る。政治側の選択肢は韓国に敗北覚悟で強硬に出るか、一切触れないという選択肢しかないが、韓国に一切触れないということは韓国と係争中の案件は全て韓国の権益や正当性を暗黙に認めることになり、日本の有権者が見過ごす可能性が低い。

こうして、日本政府は敗北覚悟で、韓国に対し一方的な喧嘩を仕掛け続ける宿命を負った。日本政府の唯一のカードはアメリカである。

 


3 韓国の対日外交の基本的な戦略

日本の唯一のカードはアメリカであり、アメリカは韓国より日本を重視し、韓国と中国との経済的関係を問題視している。韓国はアメリカとの関係があって、初めて中国との経済的関係を結べるため、アメリカの要求を無視できない。

とはいえ、アメリカ政府は日韓のことの経緯を知っており、韓国だけに譲歩を迫るのは得策ではなく、そもそも日本が要求していることに理がないため、日本にも妥協することを求めることになる。しかしながら、日本政府は妥協できない。国内の支持を失うためである。

韓国側と言えば、仮に日本側が妥協すれば、日本と妥協しても支持母体以外の支持が得られる。また日本側が妥協できないのであれば、日本側に非があるため、日本と交渉を打ち切っても困ることはない。しかも日本が妥協しない以上、アメリカは韓国に対し非難することができない。

例えば、日韓首脳五輪会談が流れた話である。

日本側は日本が始めた対韓輸出入制裁によって、主に半導体が輸入されず、非常な経済的ダメージがある。日本は日本が始めた対韓輸出入制裁を解除したが、韓国は既に他の輸出先を開拓していたため、日本にわざわざ輸出する必要がない。日本は困難な状況が続くことになるので、アメリカ政府に頼み込み、韓国に日本への製品輸出を要求してもらう。アメリカ政府としては日韓関係が正常化して欲しいので、韓国に日本との交渉を要求するが、当然ながら日本が勝手に色をつけたりせずに、妥協するものだと思う。だが、日本政府側は韓国政府に徴用工や慰安婦を一方的かつ完全に日本政府の主張を認めるように主張する。韓国政府側は日本政府が一切妥協せず、全く正当性がないことを要求した時点で、アメリカへのアリバイが完成するので、交渉を打ち切れる。

また、韓国の東京五輪参加という話もある。

韓国はコロナを名目的な理由に東京五輪に選手を派遣しない予定だったが、アメリカの要求によって選手団を派遣した。しかし、日本は東京五輪においてIOCと結託し、さまざまな嫌がらせを韓国や韓国の選手団に行なっている。となれば、韓国側はどの段階でアメリカへのアリバイが完成し、どのタイミングで選手を引き揚げればよいかを判断すればいいだけである。もはや国際社会は日本が韓国に対して理不尽な嫌がらせを行っているのは共通の認識になりつつあるので、アメリカがそれを止めるのは難しい。日本に干渉すれば、内政干渉になってしまうからだ。

韓国からすれば、日本が韓国にとる手段は常にワンパターンだ。

日本が韓国に無理難題をふっかけたり、一方的に関係を切ったりする。その結果、日本が勝手に国際社会からの信用を失ったり、経済的利益を失う。日本はその段になって慌てて、アメリカに仲裁を頼むが、アメリカ政府は民主党政権の間は全く理がないことはさすがにできず、日本に一定の妥協を期待する。しかし日本政府は国内の支持を失いかねないため、一切妥協できず、アメリカ政府が用意した交渉の席で韓国に無理難題をふっかける。韓国側はアメリカへのアリバイが完成するので、席を離れる。

日本が韓国にやり続けていることは一人芝居でしかない。同じパターンを繰り返されれば、誰でも対応策や最も利益になる方策を思いつく。韓国側は表向きは粛々と論理的な正当性を述べ、正当性のあることだけに集中し、日本の理不尽な言い分に耳を貸さなければよく、日本が経済的な反応をした場合はそこから派生する日本企業の損失を自身の利益にすればよい。日本が困ってアメリカに介入を頼めば、日本と交渉する。日本が妥協すれば、そのまま妥協しても良い。しかし日本は非常に高い確率で妥協せず、全く理がない要求をするだろうから、アメリカへのアリバイは完成し、交渉から手を引く。結果、日本は経済的損失を続け、韓国の政権は国内の支持を得られ続け、アメリカとの関係も決定的にならない。簡潔に説明すれば、韓国政府は誠実な姿勢を見せてさえいればいいのである。

例えば、日本は韓国の特許と連携を切ったが、韓国は国際社会に反応していない。そればかりか、親切にも日本企業に、特許の確認を無料でやっている。これは単に親切というだけでない。日本企業が特許侵害した場合、より悪質だと見做して、損害賠償を過大に見積もれるからだ。それを当てにしている節があるから、国際社会に反応しないのである。

日本側の韓国への反応や対応があまりにワンパターンであるため、韓国側は知恵をつけたということである。