第一次令和の乱・前哨戦 令和三年コロナ禍における都議選挙の戦い
僕の行きつけの美容師が解雇された。大手の美容院だったため、コロナ禍の影響は比較的少ないように思っていたし、前回の蔓延防止ではむしろ人手不足だったように見えたから、安心しきっていた。実際、今回の蔓延防止期間でも客の入りは悪くないらしい。
これが意味するところは、財界が、ワクチンの普及率とコロナ禍における五輪開催、新型コロナの脅威度と行政立法側の能力から鑑みて、最低でも今年中は緊急事態状況が通常化し、国内経済が容易には回復不能なまでに大きく縮小すると見込んだからだろう。だとするならば、既に大企業のサラリーマンやOLに対して整理解雇が始まっていると考えられる。そもそもそれ以前から、給与は大幅に下げていたようだし、サービス業の整理解雇は留まることを知らなかった。
ミドルクラスが今まで以上に急激に、最終的にはバブル崩壊期を遥かに超える規模で、バブル崩壊期と違い直接的に被害を受けることになるのだから、ミドルクラス、主婦、大学生の大半は生活費を蓄えなくてはならない。しかもこれから、食料品の値段はバンバン上がると見込まれるのだ。となれば、美容院の客は絶対的には減るということになるから、最も客がついていない、最も若手のスタイリストを解雇するということになる。
日弁連の電話相談はパンクしているらしい。サービス業の正規労働者は寮住まいがほとんどで、給与は低くないから、車とかローンで買っていたりする。解雇され、寮に住めなくなり、次の仕事は見つからず、ローンの支払いは続く、、、新居が見つからないため、日弁連に電話している、とのことだった。
旅行代理店に勤めていたある人は給与を年換算100万から200万減らされた。大手広告代理店のサラリーマンはリモートが続き、結局給与やボーナスが大きく減った。企業はリモートによって、管理職があまり必要としないということを理解した。そもそも財界はジョブ型雇用という目標があったため、コロナ禍における整理解雇に躊躇がないだろう。
都議選挙における、自民党都連の世論調査では、自民党公明党で過半数を確保できるらしい。
五輪中止を自身の利権のために言えない都知事の私党である都民ファーストが大きく議席を減らすのは当然であるが、五輪中止や延期を自分たちの利権のために言えない自民党が議席を大きく増やすというのは腑に落ちない。そもそも経済的には、菅政権というのは大失敗もいいところで、財界は見下げ果てたから、僕の行きつけの美容師が解雇されるようになったのだ。
日本の世論調査の性格や正確性などを鑑みれば鼻で笑っても済むが、サラリーマンやOLは自分たちがこんなに酷い目にあっていても、自分たちを勝ち組だと誤解して、自民党に投票するというのだろう。
これまでも、サラリーマンやOLは相対的には勝ち組とは言える。だが、給与は常に低下し続け、生活は困難になりつつあり、絶対的には負け組なのだ。自分の給与と待遇、20年先輩が自分と同じ頃の給与と待遇を比べれば、一目瞭然で、自分が愚からしい行動をしていると気付くだろう。
なんでも、企業や労組は労働者に対して自民党に投票することを求めているらしい。だからといって自民党に投票する言い訳にならない。誰が誰に入れたなんてわからないのが、民主主義の、日本の選挙だ。もし僕なら、「勿論、自民党に入れましたよ〜てへ☆」とか言いつつ、投票用紙に野党の名前を書く。
サラリーマンやOLは共産党や社民党に入れないらしい。意味がわからない。彼らの仕事ぶりは彼らが思っているより遥かに機械的だ。でなければ、雇ってる側がジョブ型雇用などと言わない。ロワーミドルとの違いは、せいぜい幸運にも、景気が良い時に就職できた程度しかなく、多少給与がいいというだけの話だ。極論すれば、役員とかになる予定がないなら、手に職系の方が所得が良くなるだろう。
その程度の仕事で、その程度の給与水準や待遇で、たまさか相対的にはまだしもなんとかやれている程度で、自民に投票するような、上級国民を気取れる神経が僕には理解できない。不労所得だけで数百万の収入がある僕からすれば、滑稽ですらある。
立民は立民で、サラリーマンやOL、勤務医などのホワイトカラーの自己利益理解不能の分裂人格ぷりを見事に体現している。彼らの利益を理解しているリベラル候補は立民の執行部から待ったがかかり、倒錯している右翼候補は現場から待ったがかかる。結局出てくる候補の多数派は差別主義ではないが、格差拡大路線には反対していないみたいな、いてもいなくて良い候補ばかりだ。
そんなところに投票なんてしにくい。自民党よりマシて程度だ。自民党の候補は地元の有権者と繋がりあるから、自民党に入れてしまう人が出てくるのは分からなくはない。
これ以上五輪延期なんて、できるわけねーだろあーほ。
自分の自己利益がわからないから左派に投票することはなく、立民は(自分同様に)傲慢で能無しだから投票できず、結果自分の利益を積極的に侵害する自民党に入れるか、投票に行かずに積極的に侵害されるがままになるのを選んでいるのが、サラリーマンとかOLとか勤務医の実態である。
僕が二十代前半だった頃、繋がりがあった人はやっぱり僕と似たような属性の人だった。事業主かその子弟である。僕がティーンだった頃の公立校の雰囲気をそのままに成長した連中である。
中高一貫校の男子校の進学校という、まさにステレオタイプ価値観に影響を受けていた僕に彼らは言った。
「それで、お前自身はどう考えてるんだよ?」
「てめーが行動しなきゃ、変わらねーよ」
今回の都議選挙では、サラリーマンやOL、勤務医にこの言葉を送ろう。
「それで、お前ら自身はお前ら利益、生活、幸福とやらをどう考えているんだよ?」
「世の中なんて変わらない?てめーが行動しなきゃ、なんも変わらねーよ」
余談 親不知抜いた跡が痛い。抜歯したすぐ後にカラオケなんか行った僕が馬鹿だった。、、、行く前から分かっていたけれど。
二度とは戻れない夜〜
余談2 昨日、占いしに新宿に行った。マクラーレンのスーパーカー乗ったじじいが助手席に二十代前半の若い娘を侍らせていた。彼女は外を見つめ、目の周りを赤くさせていた。
僕は頭に来たけれど、だからといって何かするようなことはしなかった。
自民党に入れるような連中はそういう光景をなんとも思わないだろう。それこそがあるべき姿なんだから。
だからといって、僕が助手席に金で買った若い娘を侍らせて、泣かせるような真似はしない。サラリーマンやOLやホワイトカラーがどんなにそれが正しい姿だとしても、俺はそんな真似は絶対にしない。