merlinrivermouth’s diary

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サイバーパンク2077レビュー

サイバーパンクの世界観

大企業が実質的な世界の権力を握り、法人資本主義と新自由主義が最大化した結果、地球環境は最悪の状況で、ヒューマニティーが失われてしまった、2077年の西海岸にある自由都市ナイトシティが舞台である。

主人公は伝説の傭兵になることを目指すが、とあるミッションで、大企業の本社ビルを核爆弾で吹き飛ばしたテロリストの記憶痕跡を脳にインプットすることになる。主人公の脳はそれが原因で破壊されかかり、余命が一年以下となった。

主人公とテロリストは自身の生存を賭け、テロリストの脳内データを取り出すべく、大企業と渡り合うことになる。

 

サイバーパンク2077のテーマ

この作品は左翼である。日本やアメリカでは極左と評価されてもいい。一応、反体制的でないエンディングがいくつかあるが、最も反体制的な選択肢を選ばなければ、グッドエンディングにならない。

原作は70年代のテーブルゲームで、概ねそれに忠実である。当時、新自由主義イカれているというのが両国の認識だった。現在、両国は新自由主義こそ体制である。特に日本の新自由主義新自由主義とさえ言えない代物で、権力に近い企業が一方的な強者となり、それ以外が敗者となることを宿命付けられている。ヨーロッパでは日本のニュースが流れるため、ヨーロッパのインテリは日本をろくでもない国として見ている。故に作品内で、日本企業である「アラサカ」が主要なターゲットになっているのは必然と言える。

 

一部レビューが低評価である推測

海外では平均90、日本では満点だった。

海外のレビューで低い点を付けた人は①伝えたいテーマが分からない②人種の文化表現が間違っている③性多様性がないと評価し、60点をつけた。いうまでもなく、この場合の人種とは日本人である。

私は日本人として反論する。ゲームは多少盛っているが、間違っているとは言えない。作品内の世界を再現し、法人資本主義や新自由主義を否定するテーマであるならば、現実に国家主義新自由主義、法人資本主義を最大化している日本はあのような表現になる。

また性多様性がないという評価だが、一体どうしたら作品世界を壊さないで、これ以上の性多様性を表現するのだろうか?主要キャラクターの一人はゲイであり、ゲイの男性の売春夫も出てくる。ゲームでは売春行為が行えるものの、性の商品化にははっきり否定的である。これは明らかに、ナイトシティの非人道的状況を表現するためのものだ。

そもそも、60点という評価が馬鹿げていると言わざるを得ない。明らかに何らかの意図があるレビューだ。

サイバーパンク2077は明白なテーマがある。だが、現在の体制を肯定的に思っている人はサイバーパンクの世界観を容認できないだろう。そのような人は現在の体制が最大限進行すれば、サイバーパンクに近い社会状況になるなどとは、思いたくもないだろう。そのような人たちからすれば、感情移入ができず、現実との接点がまるでなく、特定の人種ー日本ーを蔑視しているような作品に思えるだろう。

 

ゲーム自体の私の評価

グラフィックは最高である。

ストーリーや周辺のサイドクエストは非常にいい。密度の濃さはウィッチャー3を凌駕している。だが、時間的には100時間程度のゲームで、ウィッチャー3のように膨大ではない。

戦闘や移動はどこかでやったゲームの詰め合わせプラスアルファだ。シューティングゲームとしては射程が短い。刀を使ってキルビルごっこをやって欲しいようだが、いかんせん主観視点なので、爽快感が半減である。クイックハックは面白い。例えるなら、GTAキルビルプレイ足して、魔法的ハッキングできるといったところである。

バグに触れる人がいるが、私のPCでは目立たなかった。致命的バグはなく、最悪ロードで解決する程度で、気になるバグはウィッチャー3と比べてほとんどない。ホライゾン程度のバグで、発売当初としては少ない方と言える。PC版でバグが致命的と評価する人はその人自身の主観的価値観がかなり入っていると言っていい。

テーマ性は極端に好みが分かれると感じる。私は左翼ではないが、日本では社民党を支持せざるを得ない。そのような私でさえ、脳内のテロリストには少し「えっ?」となることがあった。しかし私はかなり楽しめている。だが、私のような人は日本では少数派だろう。左派的な価値観を持っていればいるほど楽しめ、新自由主義や法人資本主義に適合的な人ほど楽しめないゲームだ。テーマ性がしっかりあって、価値観が爆発し、説得力があって、批判精神旺盛であることは、芸術としては高い評価だ。だが、ビジネスとしてはどうだろう?どれほどの売り上げを出せるか?にかかる。非常に挑戦的だとは言える。

 

PS4版が崩壊している責任

経産省の官僚はオフレコで、日本でPS5が供給されていない原因を7割ソニー、3割菅政権にあるとした。菅政権が韓国の半導体を輸入しないがために、ソニーはPS5を作れず、ソニーは在庫分をPCとの競争が激しいアメリカやインドに回しているからである。

当初、サイバーパンク2077はPCとPS5から出る予定だった。それがほとんど直前になってPS4から発売予定になった。私はかなり様々なことを怪しんだ。実際にはPS4ではプレイできる代物ではなかった。

様々な推測ができる。例えばSONYから政治的な理由でPS5の生産の目処が立たないため、PS4版も出してくれと急遽頼まれた、とか。

結果的にCD project REDはPlayStationユーザーを騙したことになったが、playstationユーザーのほとんどはPS5を購入できているはずだったため、菅政権の問題がなければ、このような問題は起きなかっただろう。

つまり、CD project REDには言われるほどの悪質性があるとは言えない。

 

総論。

有能な専門家はいかに主観的意見を排するかで、その知性と有能さを示す。レビューも同様だろうと私は考える。妥当性に著しくかける理由で60点をつけるレビューアーを信用することはできない。

また、サイバーパンク2077自体の非常に挑戦的な価値観表出とゲーム自体の評価は分けて考えなくては、私の主観的意見を排することができない。

グラフィックは最高、ストーリーや世界観はほぼ最高、戦闘はあんまり、バグはあまりなし。つまり、文字通りプレイする映画である。ウィッチャー3と比べると、ほんの少し落ちるだろう。

私の没入具合はホライゾンと同じかやや下である。